京都市立白河総合支援学校

農園芸専門教科チーフ

平井　亨　さん

（S60年度　II部交通機械工学科卒）

　福井県の中学校を卒業後、神奈川県横須賀市の陸上自衛隊少年工科学校に入隊し、自衛官となる。　併せて通信制により高校卒業資格を取得する。　４年後にヘリコプターの整備士として大阪府八尾市にある八尾駐屯地に配属、昼は自衛官として、夜は本学学生として５年間を過ごす。

　本学卒業とともに京都市の教員採用試験に合格し転職する。　京都市立伏見工業高校に赴任、定時制・全日制の機械科教諭として１５年、その後、特別支援学校教諭として１１年目を迎える。

　「知りたい!」が私の職業観の原点です。　自衛官という職業を選んだことも仕事内容への興味だけでなく、制服・給料・横須賀という地への関心など「知りたい!」を実行した結果です。

　自衛隊での職種を選択する際には、ヘリコプターに初めて搭乗し航空工学に興味を持ち、航空科を選びました。　本学在学中は自動車工学と教職に、教職に就いてからは、競技用のロボットや省エネ自動車など物づくりに打ち込みました。　工業高校から特別支援学校に職種変更したのも長女がダウン症候群という障害をもって生まれたことで障害児教育に関心をもったからです。　養護育成教育の勉強を始め、特別支援学校教諭の教員免許を取得しました。　整備士であり、また工業を教える教員を職としてきた私が、　特別支援学校の教員として「畑ちがい」の農園芸という教科を担当することになりますが、　すべては自分の抱いた興味・関心の結果です。

　また、いまの自分があるのは本学で学んできたことが大きく影響しています。　障害児教育の手法に「構造化」があります。　これは障害のある生徒が活動できるように支援する方法の一つです。　口頭説明だけでは伝わらなかったり、あるいは行動できないことを写真や絵などと一緒に見せたり、　あるいは分かりやすくマニュアル化することで、できることが増え活動範囲を広げるといった「できる状況」をつくる手段です。　「できる状況づくり」にはイメージしたものを形にできるかが重要になってきます。　設計や工作技術を学んだおかげで、イメージしたものを形にすることには自信をもっています。　自分のキャリアが大いに役立ち、生徒たちが「できる喜び」を感じることができるとしたら・・・とてもやりがいのある職種です。

　大学への通学を思い出します。　勤務終了後、八尾駐屯地から徒歩でＪＲ志紀駅へ、当時のＪＲ関西線で天王寺駅へ、環状線に乗り継いで京橋駅へ、片町線に乗り継いで野崎駅へ、そして徒歩で大学に到着という通学経路。

　夕方の帰宅ラッシュで電車内は超満員状態、乗り継ぎはすべてダッシュ!　乗り遅れは遅刻決定という時間に追われる通学風景でした。　毎日、教室の椅子に座ると「ほっ!」としたこと思い出します。

　経験の積み重ねが将来に影響することは間違いありません。 やりたいことが決まっている人はそれに向かって行動することだと思いますが、まだ、はっきりと決まっていない人は、どんなことでもやってみることです。　「浅く広く」でかまいません。　経験をしていれば、またいつか必要な時にすぐに利用できるでしょう。　知らなければ、利用しようとは思いません。　どんな事にでもチャレンジしてください。　いつか必ず役に立ちます。

　できないかもしれないと勝手に思い込み、尻ごみするのはもったいないことです。　自分の前に現れる出来事は、案外できるものです！　「どんなことでも　やってみよう　きっとできる!」これが私のモットーで、関わったすべての卒業生に送った言葉でもあります。

　ゴルフに真面目に取り組んでいます。　月２回は競技会に参加しています。　実力はまだまだ発展途上です・・・!

　ゴルフのトレーニングを兼ね３年前からフルマラソンを始めました。　大阪マラソンへの出場にも当選し、トレーニング中です!