『令和３年春の叙勲で「瑞宝双光章」を受賞』

「元湖南広域消防局　南消防署長」

中井　芳藏  さん

Ｓ４８年度卒

工学部

　機械工学科卒

令和３年春の叙勲で「瑞宝双光章」を受賞

　大産大を卒業して直ぐ、滋賀県草津市・守山市・栗東市・野洲市を管轄とする地元消防局（現在、消防吏員330人規模）に消防士として拝命以来、無事定年を迎えるまで自己の身を賭して地域の安心、安全に尽力させていただいた結果として、今回はからずも叙勲の栄に浴し身に余る光栄に恐縮いたしておるところです。

機械工学科出身の私が水道屋のアルバイト中、水道の採掘ボーリングで、頭上5ｍの鋳物定滑車（約5㎏）のフックが外れ、真下で作業中の私の頭部に落下、ガツンとあたり（ヘルメットなし）私は倒れ、意識なく後頭部外傷を負いました。幸いにも急所がはずれ一命を取り止めました。その時、救急車で病院に搬送頂いた消防士さん（高校1年後輩の知人等）に大変お世話になったことから、私も消防士になろうとこころざしました。

そして消防士になるための手始めとして、国家資格の甲・乙種消防設備士等の資格を取得して、大学を卒業した年に消防士になることができました。

実家を管轄とする消防本部に採用頂き、当時消防で大卒採用1期生（初の上級職）でしたから周囲の期待を強く感じました。（現在大卒は50人程在籍）

消防士1年目は、全員が消防学校へ入校し消防のいろはを勉強。消防2年目はまだ初心者マーク中ですが私に消防本部の要である通信指令室勤務を命じられ（119番電話を受信後、直ちに発生場所へ消防車や救急車等の出動指令を掛け、災害が完結するまでの通信業務）また、昼間は救出・救助訓練（レスキュー隊訓練）をしていました。消防業務は3つに大別して、消防・救助・救急業務（火災調査業務）と火災予防業務（ビル・ホテル・危険物の立入検査等）、そして総務関係業務があり、私はその全部をそれぞれ10年以上担当しました。消防10年目に職場の代表として、自治省消防庁の消防大学、危険物保安科に入校、卒業しました。しかしその翌年から5年間はこれまでの消防業務とは全く異とする、消防本部総務課の会計係長（職員の給与支給等）を拝命しました。（理由・高校時に日商簿記3級の資格所持していた為）

消防18年目（1991年）は、隣町の信楽高原鉄道事故発生（応援出動）

消防22年目（1995年1月17日早朝）「阪神淡路大震災」が発生し、当時、私は草津市内の西消防署署長補佐をして、当直上席（出動隊長）の立場から、所属署の3分の1職員を災害緊急援助隊に長期派遣支援させて頂いた大災害でした。

のち、退職1年前（2011年3月11日）に長周期大地震・大津波・原子力発電所大爆発の「東日本大震災」が発生し、阪神淡路大震災の時と同様に当消防局も災害緊急援助隊に長期間派遣支援させて頂いた未曽有の大災害は、まるで夢でも見ているのではないかと思う程の規模で日本中に大きな傷跡を残し私は生涯忘れることは出来ません。その翌年に私は退職させていただきました。

滋賀県栗東市（自宅近くに競馬の日本トレニングセンターが位置する）の田舎から大東市の大学までの通学時間が2時間半を要して、冬場で雪が降った中、機械工学科の実習（必須）に出席するため、家を早く出るのは結構きつかった。また、1972年7月の「大東水害訴訟」と言われ今でも思い出すのが、当時私は豪雨が続き、膝まで浸かり歩いて住道駅から電車乗った帰路、電車からは線路だけが見え、周りはすっかり水浸した状況で、これが寝屋川の海抜0m地帯の現状の怖さを感じ、これから私は野崎駅に変更したことを思い出しました。

最後は1970年の大阪万博のことで、万博開催時は１日約30万人の入場で、ホームには、人が溢れてJR茨木駅を毎日通学していると、今日は人が多いから後半に行こうと考えていました。万博ではアポロ11号の月の石があるアメリカ館は、この夏の暑い日に５時間待ちはとても耐えれなく思っていましたが、夏休みも終わりの万博後半には１日70万人・80万人とさらに入場者が増加、私は結局万博終了間際の夜に少しだけ行ったことを思い出し、それと同じ万博が2025年に開催されるなら、次回は是非とも参加しなければと考えています。

大阪産業大学の活躍、大阪桐蔭高校等の活躍、それぞれの文武両道で大変嬉しく、これからも常に関心を以って応援していきたいと思っております。

「凡人たれ」ありがとうございました。